只見川ギャラリーイマジネーションを刺激する
作品との出会い
只見川ギャラリーのメインテーマは「只見川の恵みと暮らし」。水の流れが電気を生み出すエネルギーとなり暮らしや文化を支えていく過程を、「水源」「川」「水力発電施設」「灯り」の4つのテーマで、12名の著名な作家の協演で描いてもらいました。作家たちは、只見川とその流域の多様な表情を各々の視点と感性でとらえ、独自の技法で表現しています。
水量が豊富で、変化に富んだ景観を形づくっている只見川。流域の自然は四季折々の表情を見せ、水力発電施設は自然景観に溶け込み、暮らしや産業に不可欠な電気エネルギーを営々と作り続けています。個性的な画風によってあざやかに描き出された作品とゆっくり対話し、奥会津地域の多彩な魅力との出会いをお楽しみください。
そして絵画ゾーンを抜けると、只見川ギャラリーの最後は『奥会津讃歌』(大型ステンドグラス)。“光の芸術”が見るものを幻想的な世界へと誘います。
作家プロフィール
安西 水丸ANZAI MIZUMARU
- テーマ:灯り
- 作品タイトル:長い夜
1942年東京都生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業後、電通、ニューヨークのデザインスタジオ、平凡社に勤めた後、フリーのイラストレーターとして活動を開始。都会的で親しみやすい作風で知られ、広告、装幀、また小説やエッセイ等多方面で活躍した。村上春樹氏との親交も深く、短編集『象工場のハッピーエンド』やエッセイ『村上朝日堂』等、主に村上の文章と安西の絵による共著を多数発表。1984年よりスペースユイ(東京・青山)にて個展開催を継続。画集『MIZUMARU ANZAI ON THE TABLE』、絵本『がたんごとん』、和田誠との共著『青豆とうふ』等の著書多数。歴史や映画等にも造詣が深く、幅広く活躍したが、多くのファンに惜しまれながら2014年没
小渕 ももOBUCHI MOMO
- テーマ:川
- 作品タイトル:流れ行く
1942年静岡県生まれ、神奈川県育ち。桑沢デザイン研究所卒業後、木村勝パッケージングディレクションを経て、1980年第一回パルコグラフィック展入選。原宿パレフランスの広告、梅田阪急デパート新聞広告、丸井PR誌、ミステリーマガジンの表紙、また舞台美術や衣装デザイン等の仕事多数。2001年より、ロンドン、サンフランシスコ、ニューヨーク、ドイツ等、居場所を移しながら創作活動。2004年から2008年まで、チェンマイ(タイ)の、HIVに母子感染した孤児たちの生活施設バーンロムサイで子どもたちに絵を教えながら創作活動。2008年より神奈川県三浦半島在住。著書として『ずっとずっと空の彼方までも行っている気分なのです』、『サンフランシスコの花』等多数。
小池 アミイゴKOIKE AMIGO
- テーマ:川
- 作品タイトル:11月の朝の只見川
- テーマ:灯り
- 作品タイトル:2月の柳津
1962年群馬県生まれ。1984年セツモードセミナーに入学、長沢節氏に師事。1988年よりフリーのイラストレーターとして活動を開始。近年はワークショップやフィールドワークを通して、ローカルな現場でのイラストレーションの活用を進めている。2017年〜18年「わたしの好きな柳津」(福島県柳津町での子どもワークショップ)、2019年「雪の見えるアトリエ」(福島県昭和村での子どもワークショップ)開催。東日本大震災後の日本をテーマにした展覧会「東日本」を2012年、2014年、2015年、2017年、2019年、スペースユイ (東京・青山)、2018年 津奈木町立つなぎ美術館(熊本県)、2019年 塩竈市杉村惇美術館(宮城県)等で開催。著書は絵本『とうだい』(斉藤倫:著)、『うーこのてがみ』(作・絵)ほか。
高橋 キンタローTAKAHASHI KINTARO
- テーマ:水力発電施設
- 作品タイトル:fusion
1955年長野県生まれ。1977年多摩美術大学卒業後フリーランスでイラストレーション、アートディレクション、アニメーション、展覧会や書籍の企画監修等で活躍。個展、グループ展多数。近年では「70 CREATORS’ SEVEN」(パルコミュージアム)、「CONTEMPORARY CHIC」(阪急うめだ)、「ILLUSTRATION WAVE」「WAVE 2019」(ARTS千代田3331)等の大型企画展をプロデュース。作品集、著書は『風のバルコニー』(松本隆詩集)、『達磨』(村松恒平・文)、「ひらけ!ポンキッキ」シリーズ絵本各種ほか。アート系ノイズバンド「OBANDOS」のメンバーとして、SUMMER SONIC等各地のフェスや美術館での演奏を続けている。
竹井 千佳TAKEI CHIKA
- テーマ:灯り
- 作品タイトル:祈り
1982年栃木県生まれ。イラストレーション青山塾を経て、テレビ番組の背景イラストレーション、CM、イベントメインビジュアル、広告ポスター、グッズ、書籍等で活躍中。2007年 イラストノート誌ノート展大賞、2011年 東京イラストレーターズソサエティTIS公募大賞受賞。2018年には初の作品集『Sparkling』(Pヴァイン)を出版、同時にスペースユイ(東京・青山)にて発売記念原画展を開催。2018年に引退した安室奈美恵さんの展覧会「Final Space」では公式グッズのイラストレーションを担当。主に女性をモチーフとしたイラストレーションが多く、ポップな表現と細やかに描き分ける女性たちの感情表現に定評がある。
民野 宏之TAMINO HIROYUKI
- テーマ:水源
- 作品タイトル:森のめぐみ
- テーマ:灯り
- 作品タイトル:灯り ─大志─
1956年北海道岩見沢市生まれ。札幌市在住。静謐だが味わい深い同時代感覚の感じられる作風が人々の共感を呼び、書籍の装幀のオファーが絶えない。主な仕事としては、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』をはじめ、サルトル、トルーマン・カポーティ等海外の作家や、国内では東野圭吾、湊かなえ、林真理子等、人気作家の作品の表紙を飾っている。1992年より毎年スペースユイ(東京・青山)にて個展開催。また、作品展を日本各地、香港、台湾などで70回ほど開催している。
深谷 良一FUKAYA RYOICHI
- テーマ:水源
- 作品タイトル:源流
- テーマ:水力発電施設
- 作品タイトル:冬の堰堤
1956年福島県生まれ。1976年東京デザイン専門学校グラフィック科修了後、’78年よりデザイン会社に勤務した後、フリーのイラストレーターとして活動。書籍装幀、広告、グラフィックデザインの仕事で活躍。日本画風だが現代的な感覚を取り入れた独特な個性を生かした作品展を多数開催。平面作品だけでなく、スカーフ、陶器、木の箱に表現された作品も話題を呼んでいる。シンプルな筆致ながら、細密感覚の描写に見えるテクニック、画力には定評があり、その作品には人々を立ち止まらせる力がある。
舟橋 全二FUNABASHI ZENJI
- テーマ:川
- 作品タイトル:夜曲
1942年神奈川県生まれ。多摩美術大学デザイン科卒業後、1968年日宣美賞特選受賞。’70〜’80年カナダおよびアメリカに移住、デザインスタジオ勤務、セサミストリート・劇場用アニメーション映画制作等の仕事を経て1980年に帰国。以後フリー。主に切り紙手法によるイラストレーション制作のかたわら、木工デザイン、金属板による造形・レリーフ制作及び大規模な建築や都市計画に組み込まれたサインモニュメントなど立体制作も手がける。受賞、個展多数。作品集に『舟橋全二 ブラック&ホワイト』。 イラストレーション青山塾講師。
星野 哲朗HOSHINO TETSURO
- テーマ:水力発電施設
- 作品タイトル:カプラン
1954年東京都生まれ。1975年千代田デザイナー学院グラフィックデザイン科卒業後は、フリーイラストレーターとして広告全般、TV-CM、カレンダー、書籍、雑誌表紙、教科書表紙、映画・舞台美術等、多岐に渡る分野で活躍。日経産業新聞広告賞、ACC広告部門賞、第一回アクリルアワード入選。1984年よりスペースユイ(東京・青山)にて定期的に個展を開催。著書には『エアブラシアート・イン・ジャパン』(共著)等。グラフィック感覚とペインティング感覚がミックスしたヨーロッパテイストの表現には確固としたスタイルがある。
水沢 そらMIZUSAWA SORA
- テーマ:水源
- 作品タイトル:水の祝祭
1978年北海道生まれ。バンタンデザイン研究所ビジュアル学部卒業後、MJイラストレーションズに学ぶ。主に切り絵の手法を用いながら、人物(主に女性)や風景、植物、インテリア等を表現。微妙な、憂いを帯びた女性の表情や新しい感性で切り取られたイラストレーションの描写が、多くの若い人々の共感を呼んでいる。書籍の装幀、雑誌イラストレーション、絵本など、幅広い分野で活躍中。2016年より定期的にスペースユイ(東京・青山)にて個展開催。
矢吹 申彦YABUKI NOBUHIKO
- テーマ:水源
- 作品タイトル:雲と遊ぶ
1944年東京都生まれ。1965年桑沢デザイン研究所入学。’69〜’76年月刊『ニューミュージック・マガジン』のAD表紙絵、’81〜’90年月刊『潮』、’92〜’95年月刊『東京人』各誌の表紙絵担当。現在、イラストレーションのほか、デザイン、文章並びに画文の連載を担う。展覧会、多数。『矢吹申彦風景図鑑』(美術出版社)、『矢吹申彦音楽図鑑』(Pヴァイン)の他に、著作、絵本等多数。映画監督、伊丹十三氏との仕事でも知られる。料理本『おとこ料理讀本』(平凡社)を出版する等、料理への造詣も深い。
山田 博之YAMADA HIROYUKI
- テーマ:川
- 作品タイトル:水面 ─minamo─
- テーマ:水力発電施設
- 作品タイトル:ダムをのぞむ山々
1961年京都市生まれ。1982年嵯峨美術短期大学卒業。広告、出版物のイラストレーション制作多数。主な仕事として、S&Bスパイス&ハーブパッケージ、龍角散のどすっきり飴パッケージ、東京オリンピック「国内オリンピック委員会連合(ANOC)」メインビジュアル等。S&Bスパイス&ハーブパッケージで日本グッドデザイン賞受賞。2014年、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ入選。2016年、中国国際ポスタービエンナーレ入選。山田博之イラストレーション講座主宰。日本図書設計家協会理事。日本図書設計家協会主宰コンペ「東京装画賞」実行委員長・審査員長。2014年よりスペースユイ(東京・青山)にて毎年個展を開催。毎回趣向を変えた作品が反響を呼んでいる。
(敬省略)